木工旋盤という物に初めて触れた。
木地師の方が使われる木工ろくろと木工旋盤では少し違う。
ろくろには心押台なく、細長いものを削るのは苦手な反面、
お椀などの繊細な曲線に削り上げるのに向いている・・・らしい。
刃物も、ろくろはカンナと呼ばれる彫刻刀の様なもので削り、旋盤はバイトと呼ばれるもので削る。
形状も、材への当て方も違う。
ろくろのカンナは通常木地師の方が自分で作られる。
カンナの作り方もゆくゆくは教えて頂けるとのことだが、
先ずは、どちらかと言うと初心者に扱いやすい旋盤を使わせてもらった。
高速で回転している材に、軽くバイトを当てると、気持よく材が削れていく。
でも、少しバイトの角度が違ったり、押しすぎるとバイトが材に食い込む。
食い込むと、ガリッ!と大きな音とともに、バイトが跳ねたり、材が飛ぶ事がある。
この食い込みが怖くて、バイトを材に軽く当てられない。
ついつい、手先から腕・肩・背中・腰・脚まで力が入ってしまう。
先生に手を添えてもらいなが、バイトの角度、動かし方を習う。
バイトの角度を変えながら、削れ出す角度を音で感じろ・・・・って言われても違いが解らない。
力を入れずに・・・・・って言われても、バイトの角度を固定しようとするとついつい力が入る。
あっと言う間の2時間。緊張した。
荒削りを終えたケヤキの小盆。
一応塗装まで終えた、ウォールナットの小皿。
初めて旋盤で作った作品だが、自分一人でできたのは塗装だけ。
私がバイトを持って削ったのは確かだが、私の手だけでは何も削れなかった。
自分ではもう少しできると思っていたのだが。