釣りに行く前の晩、久々に寝付きが悪かった。
前回、友人が自宅に向かえに来てくれているのにも気づかず、
布団の中で寝続けるという失態をしてしまった。
それを知った今回の同行者からは、事前に何度も
『起きていてくださいよ!』というメールが来ていた。
そのせい、
と言うよりも今シーズン最後の釣行を前に
実績のあるプールやポイントが瞼に次から次へと映し出されて
なかなか寝付けなかったのだ。
なんとか寝坊することなく目を覚まし、
嫁さんが作ってくれたおにぎりを持って
予定通り出発し、目的の谿へ。

ところが、平日だというのに、至る所に釣り師。
まだ誰も入っていないだろうと思われる区間に入ってみるも
昨夜瞼に浮かべたポイントからは何の反応もなし。
あまりの無反応に、いつもは登ることのない堰堤を
無理して高巻き・藪漕ぎしTipを折ってしまった。
その堰堤の上でも無反応。
谿を変え、竿を替え気を取り直して上流の谿に入る。
移動の途中も釣り師の車だらけ。
幸いにも私たちが入った所は、入渓者がなかったようで
何匹もの岩魚が釣れてくれた。
ここの谿は堰堤がいくつもあるとはいえ、
山は広葉樹に覆われ、水は澄んでいて
いつもいい岩魚が釣れる。
林道の脇にはススキが穂を出し、
山は色づき始めていた。
また来年。